赤旗2019年2月2日付
「偽りの数字をもとに、賃上げを誇り、消費税増税を決めた安倍政権の責任は重大だ」―。日本共産党の小池晃書記局長は1日の参院本会議で代表質問に立ち、毎月勤労統計の不正・偽装問題をはじめ、消費税10%増税、沖縄新基地建設、社会保障の削減、大軍拡問題などをめぐって、安倍晋三首相のウソとごまかしを追及しました。(質問全文)
小池氏は、毎勤統計の不正で上積みされた昨年の実質賃金の伸び率が実際には大幅マイナスだった可能性があることを指摘。「5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ」と開き直る安倍首相がすがりつく連合の調査結果は物価上昇を織り込まない名目の賃上げ率で、物価の上昇分を差し引いた実質の賃上げ率は1%程度と“今世紀に入って最低”だとただしました。
安倍首相は「(毎勤統計の再集計では)2018年に入ってから月によってプラスとマイナスにふれながら推移している」とマイナス数値を認めながら、またも連合調査を持ち出して見当違いの言い訳をするだけ。小池氏は「実質賃金と家計消費が落ち込んでいる時に消費税増税を強行すれば、暮らしも経済も破壊されてしまう」と強調しました。
さらに、小池氏は、安倍首相が掲げる「全世代型社会保障」の実態も、少ない年金給付のさらなる削減だと追及しました。年金受給者の7割は年金額が年200万円未満。ところが、安倍政権はマクロ経済スライドなどを発動し、来年度だけでも年金は0・9%の実質減額となります。これによって、安倍政権発足後の7年間では物価と年金が6・1%も乖離(かいり)しました。小池氏は「年金給付を抑制しながら、他方で『生涯現役の社会』を掲げれば、それは“年金に頼らず、死ぬまで働け”というメッセージにしかならない」とただしました。
安倍首相は「(マクロ経済スライドで)物価の上昇率ほど年金額は上昇しなくなった」としながら、「現役世代と高齢世代のバランス確保」などと強弁。小池氏が「『全世代型社会保障』というなら、全世代にわたり重すぎる国保負担の軽減は急務だ」と迫っても、安倍首相はまともに答えられませんでした。
さらに、小池氏は、安倍政権が進める「いずも」型護衛艦の空母化について、岩屋毅防衛相が記者会見で「攻撃型空母には当たらない」と否定しながら、「攻撃型空母という定義は、はっきりとない」と回答を避けたことをあげ、「『攻撃型空母の定義はない』といいながら、『いずも』改造艦船は『攻撃型空母には当たらない』と言っても通用するはずがない」とただしました。しかし、安倍首相は「攻撃型空母に当たらない」とオウム返しの答弁。小池氏は「市民と野党の共闘で、ウソのない当たり前の政治を実現し、立憲主義を回復し、憲法を守り生かし、暮らしに希望を取り戻すため、安倍政権の一日も早い退陣を求めてたたかい抜く」と表明しました。