2016年5月24日 厚生労働委員会 速記録<障害者総合支援法>

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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 昨日の参考人質疑ですけれども、藤岡参考人はこう言っているんですね。基本合意は、政権や政治の変動に左右されず、国政において履行されるべき法的文書、新たな障害者福祉法制の制定は、障害者の基本的人権を保障し、その行使を支援する法律に転換すること、権利条約を実施するために骨格提言を法制度化することだと、こうおっしゃっているんですが、今回そういうふうになっていないというふうに言わざるを得ないわけです。
 まず冒頭、先ほど午前中も議論あったんですけれども、大臣は、もう基本合意文書とそれに基づく骨格提言は、障害者と関係者の思いが込められたものであるというふうに繰り返しているんですが、思いじゃないでしょう、これ。これ、国とそれから障害者自立支援訴訟団の約束ですよね。しかも、これは、違憲立法審査に関する訴訟なわけですから、国にはこれ司法上の和解を遵守する義務がある極めて重い約束じゃないですか。
 大臣、これは単に関係者の思いではない。国のやっぱり重い約束なんだと、これ、あれこれ言わずにもうイエスかノーかで、約束ですとはっきり認めてください。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、平成二十二年に基本合意に達して、それに基づいて骨格提言というのはできましたが、その合意の後に和解条項というのが裁判所の関与の下で成立をしているわけでありまして、その中で、さっき申し上げたとおり、平成二十二年一月七日付け基本合意文書のとおりの合意をしたことを確認をすると、こういうふうになっております。
 したがって、今の、当事者の皆さんの思いではないんだというお話でございますけれども、やはりこれは、基本合意と骨格提言は、障害者の方を始めとする当事者の、関係した方々のやっぱり思いが込められたものであるということは何も変わっていないわけでありますし、またこの今約束ということでございますけれども、これは当時の厚生労働省と原告団、弁護団との間で合意に至った文書だというふうに理解をしているところでございます。

○小池晃君 いや、だから、当時合意したなら約束でしょう。国が、だって、それで取り下げたんですよ、訴訟を。だから国が約束したことでしょうって。それはイエスかノーかで、がたがた言わないでもうはっきり認めてください、これ。だって実際合意だって認めているんだから、約束なんですとはっきり言ってください。

○国務大臣(塩崎恭久君) これは約束という言葉は出てこない合意の文書でございますので、そういう意味で思いをしっかりと受け止めた上で、法改正をやっているということでございます。

○小池晃君 要するに、一方の側の思いだけではないでしょう、これは当事者と国の間で合意した中身でしょうと、それを私は約束という言葉で言っているんです。もう、ちょっとさっき合意と言ったからいいと思うんだけど、そういう意味では合意ですよね。お互いの思いで、これは一方の思いだけではないと。国と当事者との両者の合意であるということで、確認です、もうイエスかノーかではっきり言ってください。

○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたとおり、基本合意というのは、厚生労働省と原告団、弁護団との間の合意に至った文書だということは先ほど来申し上げているとおりでございます。

○小池晃君 そういうのを約束というんですよ、普通は。素直に認めてほしいんです。
 それで、この基本合意文書、骨格提言というのは、ここに含まれた中身は、これは実現すべき課題であるという認識でいいですね。

○国務大臣(塩崎恭久君) これは、何度も申し上げているとおり、骨格提言、その前の基本合意の文書、これにつきましては当然内容を踏まえて制度改正あるいは報酬改定というものをやっていかなければならないということだというふうに思います。今日まで段階的に必要な対応を進めてきたということを先ほど来申し上げているとおりでございます。

○小池晃君 いや、内容を踏まえてとかそういう言い方じゃなくて、段階的であったとしても、これは実現をすべき中身であると、この基本合意と骨格提言に盛られた中身は実現すべき課題であると。それは、段階だとか計画だとかあったとしても、実現すべき課題なんだと、そういうことでいいですね。

○国務大臣(塩崎恭久君) 当時、厚生労働省、これは民主党政権、長妻大臣でございますけれども、とこの原告団、弁護団との間で真摯なお話合いが行われて、そこでできた合意文書ということでありますから、当然これをしっかりと踏まえて制度改正を考え、また報酬改定も考えるということを申し上げているとおりでございます。

○小池晃君 だから、その踏まえてやるという言い方がこれはちょっとはっきりしないわけですよ。
 ここに盛られた中身は実現すべき課題なんですね。
 だって合意したんだから、そうでしょう。私むちゃなこと言っていませんよ。普通の日本語の素直な解釈をすればそういうことになるじゃないですか。だから、実現すべき課題ですというふうに言っていただければみんな安心するわけですよ。そう言ってくださいよ。

○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も申し上げているとおりでございまして、これは骨格提言、そしてまたその前の基本合意文書を踏まえた上で、当然この制度改正をやっていくと申し上げているわけでありますから、この中に書いてあることを十分認識をした上で制度改正を行うということでございます。

○小池晃君 認識して制度改正するとか、踏まえて改正するとかね、何でそういう回りくどい言い方するんですか。だって、それを認識して目指してそれで改正するんだったら、それを実現を目指すわけでしょう。だから実現目指すんだと、目指しているんだと、目指すべき、これは実現をすべき課題なんだというふうに言ってください。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も御案内のとおりでありますけれども、この基本合意文書の中身をよく見ますと、厚生労働省はということがありまして、上記に示した本訴訟における原告らから指摘をされた障害者自立支援法の問題点を踏まえて次の事項についてといって云々かんぬん書いてありまして、しっかり検討を行い対応していくと、こういうことでありますから、合意文書の中でこういった様々な問題点をしっかりと検討して対応をしていくということが合意文書になっているわけでありますので、そのことはしっかりと踏まえて検討をして直していくと、こういうことだというふうに理解しております。

○小池晃君 正面から認めていただけないんですね。これがやっぱり根本にあるんですよ、擦れ違いの。やはりこの法案の問題点の根本に私はあると思う。ここのところをはっきりさせておかないと、私、どんどんどんどんこのずれが広がっていったら、いずれまた大変なことになると思いますよ。またやっぱりあの自立支援法のときのように大きな怒りが湧き起こるということになりますよ、こんなことをしていたら。私は、ここは本当に真摯に向き合うべきだと思う。きちっと約束をして、訴訟まで取り下げたんだ、その思いに応えるというのは必要なんですよ。
 ちょっと、ここに関わっていると先に進めないんで、これがやっぱり僕は大問題だということをまず指摘をしたいと思います。
 その上で、基本的な考え方を確認したいんですが、基本合意文書には障害福祉政策というのはどうあるべきかが書かれています。障害福祉政策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであるということを基本とするというふうにはっきり書いてあるわけですね。
 これ、やっぱり大事なことなんです、これは。
 要するに、障害者施策というのは、人として生きていくための基本的人権を保障する欠くべからざる中身なんですよ。だから、衆議院の参考人質疑でも佐藤久夫特任教授も、表現の自由、移動や居住の自由などは基本的人権として、どんな状況があっても、お金がないので我慢してくださいとは言えない性質のものだと、こう言っているわけですね。これ極めて私は重いと思うんです。
 ところが、今様々な部会の議論、あるいは今回の法案質疑の中でも、ほかの制度との公平性あるいは国民理解の必要性というような言葉が何度も出てくる。介護保険は、今どんどんどんどん自己負担を増やすような、あるいは供給サービスを制約するような中身が出てきている。
 人間らしく生きていくために必要な基本的人権である以上、やっぱりこれはほかの制度がどうのこうのというんじゃなくて、お金がないから受けられない、財源がないから提供できない、そんなことは許されないと。私は、障害者の福祉施策というのはそういう性格を持っているということをまず施策の根本に据えなければ、私はこれ解決しないと思うんです。
 その考え方、大臣、基本的にやっぱり障害者施策というのは基本的人権を保障するためにこれ絶対的に必要な課題なんだという認識ありますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十四年にできた障害者総合支援法、これは先ほどの骨格提言を踏まえて作られたものでありますが、障害者基本法の目的規定なども踏まえて、新たに基本理念の規定というものが第一条の二で設けられて、障害者総合支援法に基づく支援というのは、全ての国民が等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するために、社会参加の機会の確保と地域社会における人々との共生が妨げられないこと、それから日常生活又は社会生活を営む上で障壁となる一切のものの除去に資すること、こういったことを旨として行わなければならないと明確に書いてあるわけであります。
 したがって、障害者福祉政策というのは、やはりこの推進に当たっては、こうした今申し上げたような基本理念、第一条の二に書いてあるようなことをしっかりと踏まえることが大事だということが重要だと私どもも思っています。
 それで、他制度との公平性というお話をされたかと思いますが、当然、障害福祉サービスなどの利用者負担については審議会においてもいろんな議論がされて、その結果、障害者総合支援法の趣旨、あるいはこれまでの利用者負担の見直しの経緯とか、他制度の利用者負担とのバランスなどを踏まえて引き続き検討すべきと、こういうふうにされたところであるわけでありますが、こうした審議会における議論とか、あるいは障害福祉制度も我が国の社会保障制度の全体の中の一部であることを踏まえると、その在り方については他制度との公平性を踏まえるということも必要であるということは否定し難い考慮事項ではないかというふうに考えているところでございますが、いずれにしても、先ほど申し上げたとおり、基本的人権を享有する個人として尊重されるべきものが障害者施策ということだと思います。

○小池晃君 私は、基本的人権を守るための制度というのであれば、そして他制度との公平性ということであれば、やはり他制度を障害福祉制度のレベルに近づける努力こそすべきなんですよ。それが日本の社会保障制度全体として改善し改革していく道だと思うんですよ。それを、他制度をどんどんどんどん自己負担を増やすような形にして、それに障害者施策を公平性だといって合わせていくと、これでは基本的人権守れませんよ。私は、そこは根本的に転換すべきだというふうに申し上げたいと思うんです。
 その上で、基本合意で第一の約束は応益負担の廃止です。しかし、利用料無料の対象は市町村民税非課税の世帯にとどまっているのが現状であります。この利用料とか自立支援医療等の経過的特例措置、これは政令によって定めるということで今回は触れられておりません。今後の検討課題だというふうに部会でもなっています。
 部長に聞きますが、基本合意に従えば、ここで言っているこういった問題の検討というのは、これは利用料の無料化の対象の拡大に向けた、そういう方向での検討以外あり得ないと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(藤井康弘君) 先ほど来議論になってございますが、この障害者総合支援法が制定されるとともに、その利用者負担につきましては、厚生労働省と障害者自立支援法の違憲訴訟原告団、弁護団との基本合意におきまして、自立支援法廃止までの間、応益負担制度の速やかな廃止のために、低所得者について利用者負担を無料とする措置を講ずることとされております。また、この基本合意やいわゆる骨格提言等も経まして、現在、低所得者の利用者負担は無料となったものでございます。
 一方、この障害者自立支援法の創設時に激変緩和措置として経過措置が幾つか設けられておりますけれども、これら累次の延長の結果、平成三十年三月三十一日までの措置となっているところでございます。この点につきまして、今回の審議会の報告書におきまして、これらの経過措置の見直しにつきましては時限的な措置であること、施行後十年を経過すること、平成二十二年度より障害福祉サービスの低所得者の利用者負担が無料となっていること、他制度とのバランスや公平性等を踏まえまして検討すべきというふうにされるところでございまして、今後必要な見直しを検討してまいりたいと考えております。

○小池晃君 ちょっと今のでは全く納得できないですね。これ、明確な方向性、全く示されていないと思うんですね。これ、重大な問題です。この重大な問題を私はやはり一片の政令ということでやることは許されないんじゃないかというふうに思う。
 大臣、これやっぱりこの利用料、自立支援医療等の経過的特例措置に関する問題は、これは当然国会で議論すべきものであると思いますが、いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 利用者負担に関する規定ということで、一般的にはその利用者負担の限度額とか対象の要件とか、こういったことについての基本的な考え方を法律に規定をすると、その具体的内容については政令等で定めるというのが通常のやり方ではないかというふうに思いますが、介護保険法とかあるいは国民健康保険法も同様に、利用者負担の限度額の基本的な考え方を法律で定めて、具体的な内容については政令で定めるという形になっていまして、障害者総合支援法についても同様という扱いにしているところでございます。
 御指摘の利用者負担に関する経過措置についても現在政令で規定をしておるところでございますけれども、その見直しを行う場合には、当然様々の御意見をしっかりと聞いて議論することが必要であるというふうに考えているところでございます。

○小池晃君 私、国会でと言ったんですけど。

○国務大臣(塩崎恭久君) 国会こそ様々な意見が集約されているところだというふうに理解をしております。

○小池晃君 これは、きちっと議論しなきゃ駄目ですよ、これは。重大な問題だと思います。
 その上で、今日も大分話題になっていますが、入院時のヘルパー利用の問題です。
 これは昨日の参考人でこの問題、大問題になっているわけですね。岡部さんもおっしゃっているんですが、こうおっしゃっているんですね。入院時はその患者の介護に慣れたヘルパーの付添いができないことが多く、個別性に即した適切なケアが受けられないことなどにより体力を消耗し、かえって体調を崩すことがありますということで、これを期待をされているわけです。
 ところが、今日議論あったように、これヘルパーの利用の中身は、そのニーズを的確に医療従事者に伝達する等の支援というふうに言われているわけですね。この等には直接支援はこれは含まれているのかいないのか、これよく分からないわけですね。
 私は、やっぱりもちろん病院の医療行為との峻別がありますから、一律に全部できるとか、そういうふうにはできないと思いますよ、当然。ただやっぱり、いろんなケースがあるじゃないですか。
 一切触っちゃいけない、何か看護師さんに指示するだけだというんじゃなくて、やっぱりここはこうしてこういうふうにやるというのを見せるとか、いろんなことがあり得ると思うんですね。
 何か一律の基準って作れないと思いますが、私は、実際に岡部さんたちのように期待されているのは、恐らく本当に慣れたヘルパーさんにやってもらいたいという思いだと思うんですよ。ところが、今のままだとそうならない可能性が、午前中も指摘されたけど、あるわけですね。ここをどう解決するのかという、これ非常に大事な問題ではないかなと。やってみたけれども期待していたのと違うじゃないかということになりかねないわけですね。
 やっぱり、この運用に当たって、障害者の立場に立った配慮というのが、この制度が入ることに期待されている方に対して、やっぱりその立場に、その思いに即した対応が必要だと思うんですが、そこはどうですか。

○政府参考人(藤井康弘君) 入院中の重度の障害がある方々に対しまして御本人の状態等を熟知をしているヘルパーが行う支援でございますけれども、これ、病院のスタッフとの役割分担から申しますと、やはり基本的には体位交換などのいわゆる直接支援を含めるということはこれなかなか役割分担として難しいというふうに考えておりますが、まだ今後の検討ではございますが、例えばコミュニケーション支援の一環として、適切な体位交換の方法を看護スタッフにお伝えをするためにヘルパーが看護スタッフと一緒に体位交換をするとか、そういったことも現場ではまさに現場感覚で考えればあり得るわけでございまして、そういったことも頭に置きながら、今後、その役割分担、どんなふうな形にするかというのを具体的にこれ検討してまいりたいと考えております。

○小池晃君 ここ大事な問題だと思います。
 それから、支援区分六に限定している問題、これ大臣もいろんなケースがあり得るんだと、苦痛を受けるようなことがあってはならないというような趣旨のことを先ほど答えられたと思うんですが、やっぱりこれも障害者の立場に立って支援できる仕組みをこれから運用あるいは実際の省令の中で検討すべきだと思うんですが、一点、もう一つ確認したい、聞きたいのは、岡部さんが昨日おっしゃっているんですけれども、地方によっては、これは実際には重度訪問介護ではなくて居宅介護を利用しているケースが多いんだというふうにおっしゃっているわけですね。実際そうだと思うんです。それで、対象要件を満たしていても、社会資源が乏しいことで重度訪問介護を受けられない方も実態としては多くいるわけですね。
 やはり一律に障害程度区分六の重度訪問介護利用者というふうに限定しちゃうと問題あるんじゃないかと。ここは、これから要件、後日政省令で決めるということではあるけれども、その政省令で決めるに当たっては、地域格差なんかも踏まえて利用者の対象拡大を図っていく努力をすべきではないかと思うんですが、そこはどうですか。

○政府参考人(藤井康弘君) 委員御指摘のこの点、午前中も議論があったわけでございますけれども、今回の措置につきましては、これ、元々は医療機関の中での身体介護的な支援でございますので、元々はやはり医療機関の中のスタッフ、例えば看護補助者の配置の充実とか病院におけるケアの充実に向けた方策を検討すべきではないか、あるいは、障害福祉の世界でいえば意思疎通支援事業によって、これは入院中においても利用可能なわけですから、それを明確にするというような対応で進めるべきではないかというような、そういう考え方でこれまでずっとやってきて、しかし、それで利用者の皆様方のニーズになかなか対応できなかったと。

〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕

 そこで、さはさりながら、やっぱり本当に最重度の方々につきましてはヘルパーを入れるべきではないか。そのヘルパーを入れるに当たりましても、これも委員御案内のように、重度訪問介護のヘルパーと申しますのは、これは最重度の障害のある方々に対しまして、本人の状態等を熟知し、比較的長時間にわたりまして日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守りの支援も併せまして、身体介護あるいは家事援助、それから岡部さんにも二人付いていらっしゃいますけれども、コミュニケーション支援等を総合的に提供するサービスでございます。まさにこういう場合のヘルパーさんが入院中も病院に入って支援をしていただくということが、これ今回の措置、法改正のまさにこうした目的というふうに考えてございます。

〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕

○小池晃君 聞いたことを答えていないじゃないですか。
 だから、それ、やっぱりそういった障害者の立場に立って、大臣、もう大きな政治的な話はいいですよ。岡部さんは、賛成です、法案成立を期待しますとおっしゃりながら、やっぱりいろんな思いを昨日もおっしゃっているんですよ。やっぱり負担の問題も言われていたし、やっぱり実際に受けられないんじゃないかと、こういう制度できても、そういう現実があるんだということをおっしゃっているんですよ。やっぱりこういう思いに応える必要あるんじゃないですか。
 せめて、ここは前進したという部分であれば、やっぱり現場で苦しんでおられる障害者の皆さんの思いに応えるような対応を、具体的にはいいですよ、何かいろいろとぐちゃぐちゃ言うから。もう考え方として、やっぱりそういう立場で政省令をこれから作るわけでしょう、実際の運用にも当たるわけでしょう、そのときにやっぱりそういう実際の障害者の皆さんの思いに応える、実態に応える、そういう形でやりますというふうに決意を聞かせてください。

○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう何度も申し上げておりますけれども、やはりニーズはそれぞれいろいろ個人個人で千差万別だろうと思いますので、そういうことはしっかりと踏まえた上で、まずは今回こういう形の制度を創設をするわけでありますから、その施行状況なども踏まえた上で、寄り添った形で運用を図っていきたいというふうに思っております。

○小池晃君 寄り添う形の運用を見守りたいと思います。
 介護保険優先原則について聞きます。
 これは、具体的には、これまで厚労省は、個々人の心身状況を考慮して介護サービスを一律に優先しない等々言ってきたわけですね。
 ちょっと部長に聞きますが、その個々人の心身状況を考慮して介護サービスを優先するかどうかというのを決めるのは、これは市町村だと思います。自治事務である以上、その決定に係る責任もやはり自治体、市町村に及ぶという理解でよろしいですか。

○政府参考人(藤井康弘君) この介護保険優先原則の下で介護保険サービスを利用するかどうかは、介護保険サービスにより適切な支援が受けられるかどうかについて、個々の障害者のサービス利用に係る具体的内容を聞き取りにより把握した上で、市町村が責任を持って判断をするものでございます。

○小池晃君 では、その責任は市町村に及ぶという理解ですね。

○政府参考人(藤井康弘君) おっしゃるとおりでございます。

○小池晃君 千葉市の天海正克さんは、介護保険を申請せずに、六十五歳を過ぎて引き続き障害福祉サービスを利用したいと市に相談したと。そうしたら市は、これ介護保険と障害福祉サービスの具体的な違いを文書で提出せよと。一割負担が違うんだと言ったら、市は具体性がないと言って、機械的に六十五歳の誕生日の前日に障害福祉サービスを打ち切っています。市は法律に沿ってやっているというふうに主張しているんですね。国のせいだ、法律のせいだと言っている。こういうケースはほかにもありますので、これは私大問題として引き続き取り上げていきたいというふうに思います。
 その上で、この介護保険の優先原則なんですが、これ、障害者福祉制度は利用者の約九割無料です。
 介護保険は、これは応益負担、一割負担です。介護保険の方が明らかに不利益ですよね。
 このように、利用者にとってより不利益をもたらすような制度を優先する規定というのは、ほかの社会保障制度にありますか。

○政府参考人(藤井康弘君) 委員御指摘の不利益をもたらす制度を優先する規定であるかどうか、何をもって不利益とするかというのもなかなか難しいところがございますが、少なくとも異なる制度間でいわゆる相当する給付がある場合の調整規定を設けている例といたしましては、例えば介護保険法との給付調整の規定を設けております老人福祉法、それから健康保険法との給付調整の規定を設けております児童福祉法といったようなものがございます。

○小池晃君 いや、だから、これ、だって明らかに、九割無料の制度と一割負担の介護保険比べれば、介護保険の方が不利益じゃないですか。そっちを優先するような仕組みというのはあるのかと。
 私、これ事前に厚労省に聞きましたけど、具体的にはお示しいただけませんでした。
 大臣、やっぱり利用者にとってより不利益をもたらす制度が優先される、すなわち介護保険優先原則、やっぱりこれは廃止にするしかないですよ。
 これ、基本合意でも介護保険優先原則は廃止するというふうに書いてあるじゃないですか。やっぱり総合支援法七条及び施行令から介護保険優先原則は除外する又は障害福祉を優先する、こういうふうにすべきじゃないですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来議論が行われておりますけれども、あるサービスが公費負担の制度で提供できる場合に、つまり税金で賄うということですね、同様のサービスを国民がお互いに支え合うための保険料を支払う、いわゆる社会保険方式、これで提供できるときには社会保険制度で提供されるサービスをまず御利用いただくという保険優先の考え方というのは先ほど午前中にも私から御説明申し上げたとおりで、これが今の社会保障制度の原則であるということであります。
 ただ、先ほど来お話が出ていますように、六十五歳という年齢に到達したというだけで利用者負担が増加してしまうという事態を解消するために今回の新たな制度を設けているわけでありまして、この介護保険優先原則につきましては、今回のこの改正法案を提案するに当たっての審議会での審議でも様々な意見がございまして、我が国としては、社会保障の基本から、まずは保険優先の考え方ということは原則守っていくということで、この仕組みには一定の、先ほど申し上げたように合理性があるのではないかというのがこの審議会での結論であったというふうに受け止めております。

○小池晃君 だから最初の話に戻っちゃうんですよ。
 だって、基本合意は介護保険優先原則を廃止するとなっているんですよ。廃止するという基本合意を踏まえて検討して、何で合理性があるとなるんですか。おかしいじゃないですか。廃止するという基本合意を踏まえて検討した結果が存続すると。廃止するという基本合意に基づいて、それを踏まえて検討したけれども、廃止まで至らなかったけれどもここまで来たというのなら分かりますよ。全く真逆の結論になっているじゃないですか。
 だから納得できないんですよ。だから、今、障害者の皆さんは約束が違うじゃないかと声を上げているわけですよ。私は、こういうやり方は許されないと思いますよ。
 大臣、いかがですか。これ、基本合意に明らかに反しているじゃないですか。

○委員長(三原じゅん子君) 塩崎大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えをお願いします。

○国務大臣(塩崎恭久君) はい。
 そういう意味では、先ほど申し上げたように、基本合意については、確かに、介護保険優先原則を廃止をし、障害の特性を配慮した選択制等の導入を図ることと、こういうふうになっているわけでありますが、この基本合意そのものについては、先ほど申し上げたとおり、和解条項での位置付けは合意をしたことを確認をするということになっていて、我々は、しっかりとこの基本合意を踏まえながら今回の法案を提出し、ですから、先ほど申し上げたように、六十五歳という年齢に到達したというだけで利用負担が増加してもらうと、こういう事態を解消するために、利用者負担を軽減をして、一割をゼロにするという法改正をして御審議を賜っていると、こういうことでございます。

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