赤旗2025年7月28日付
27日のNHK「日曜討論」は9与野党の選挙対策責任者が出席し、参院選結果や今後の政策協議などについて議論を交わしました。日本共産党から小池晃書記局長が出演しました。
参院選の結果について、小池氏は「議席を後退させたことは大変悔しく残念に思います。捲土重来(けんどちょうらい)を期したい」と表明。選挙結果全体については「衆議院に続いて参議院でも自民党、公明党が過半数を割ったことは前向きの結果だと思っています。その点で共産党としんぶん『赤旗』は論戦においても大きな役割を果たした」と強調しました。
小池氏は、共産党は1人区での野党候補一本化にも貢献したと発言。「今の日本の政治は、自民党政治を延命させて暮らしを壊して大軍拡を進め、外国人差別と排外主義という極右的な流れを強めていくのか、自民党政治に代わる新しい政治をつくるのかの歴史的な分かれ目にあります。消費税の減税と廃止に向かう。これを必ず実現しないといけない」と強調しました。
消費税減税直ちに
参院選の争点について、小池氏は「有権者の関心は間違いなく物価高が最大だった」と指摘。「外国人問題」を主張するところが伸びるかどうかが焦点であるかのような報道があり、真の争点が覆い隠された面があったと述べました。
その中でも共産党は▽消費税廃止を目指して5%に直ちに減税▽複数税率なくしてインボイスの撤廃▽財源は大企業や富裕層への行き過ぎた減税などの見直し―という具体的な財源策も示して訴え、「本当に大きな手応えがあった」と振り返りました。
その上で、「すべての野党が今回、何らかの形で消費税の減税、あるいは廃止ということを言いました。自民党候補者の4割もそう主張したわけです。民意に応え(消費税減税を)直ちに具体化するということが必要だ」と強調。ガソリン税暫定税率の廃止も直ちに進めるよう主張しました。
小池氏は、選挙戦で外国人への攻撃、排外主義を主張する政党が現れたことについて「根拠のない攻撃は差別です」と断じました。「例えば生活保護を外国人が多く受給していると。これは全く事実と違う。(受給者は)むしろ減っています。医療保険をただ乗りしているという主張も違います。保険料よりも実際に使っている医療費が少ないというのが実態です」と述べ、根拠のないデマの主張を論破しました。
小池氏はその上で、「多くの外国人がこの国で暮らし、この社会を支えているわけで、多様性を尊重する社会に向かって進んでいくということがこの国のあるべき姿だということは言っておきたい」と語りました。
対決姿勢問われる
若い世代の自民党支持の低さが話題となり、小池氏は、若い世代はこの間の自民党政治の打撃を受けてきたと指摘。「高い学費、非正規雇用などの問題を変えていくためには、『アメリカいいなり』『財界中心』という政治の根幹のゆがみを正していくことをしっかり訴えていくことが大事」「共産党を伸ばせばこういう日本が実現するということを分かりやすく示していくことが大きな課題です」と語りました。
SNSの活用についてきかれた小池氏は「非常に重要なツールだと思っています」と答えました。「それとあわせて、党の自力、党員、新聞(赤旗)の読者、これが私たちにとって一番の土台です」「ここを本当に大きくしていくことが一番の課題だと思っています」と語りました。
「国民のための政治を実現していくために何が必要か」と聞かれ、小池氏は「自民党政治を終わらせたいというのが国民の願いです。野党は国民の側に立って自民党と対決して政治を変えるのか、それとも自民党を助ける勢力になるのか、ということが問われていると思います」と強調。「差別と排外主義、分断という政治と立ち向かって連帯し、希望を語っていくことに全力を挙げていきたい」と決意を語りました。