日本共産党の小池晃書記局長は22日、国会内での記者会見で、非核三原則を巡る与党幹部の発言を巡り、「非核三原則は議論の余地のない課題だ。唯一の戦争被爆国としてゆるがせにできない国是だ」と指摘し、「(政府高官による)核を保有する」という発言もあったとし、「核の持ち込みが想定された議論。周辺国の核開発を加速し、日本を危険にさらす議論」だと批判しました。
(写真)記者会見する小池晃書記局長=22日、国会内
21日のNHK「日曜討論」では、自民党の小野寺五典安保調査会長が「非核三原則の在り方について議論すべき課題の一つだ」と表明。日本維新の会の前原誠司安保調査会長も「しっかりと点検することが大事だ」と発言しました。
小池氏は、世界は今、核兵器廃絶へ向けて核兵器禁止条約の実現に全力を挙げ、95カ国が条約に署名していると指摘。その下で「世界の流れに対する真正面からの逆行であると言わざるを得ない」と指摘し、「日本被団協が1年前にノーベル平和賞を受賞して、みんなで喜び祝った国で、なぜこういう議論が始まっているのか」「非核三原則はゆるがせにしない国是として確認をしていくことこそ必要だ」と強調しました。
自民や維新の発言の背景には「核抑止力」論があり、「核を持っていれば安全で、核使用を止めることができるという『核抑止力』論の呪縛の下にあると言わざるを得ない」と主張。一方で、「核の先制使用を公言してはばからない国も存在している下で、『核抑止』は無力になっている」と指摘しました。「『核抑止力』論から抜け出し、核廃絶へ向かう議論を進めるために力を尽くしていきたい」と表明しました。
日本共産党の小池晃書記局長は22日の記者会見で、円安が続くなかで長期金利が27年ぶりの高水準になったことなど、日本の経済・財政状況について問われ、「危険な状況が生まれつつあるのではないか」と述べました。
小池氏は「補正予算では国債発行額が11兆円を超え、将来の日本の財政に対する不安が広がっている」「金融正常化に向けて、日銀が0・75%への金利引き上げを発表した日に円安が逆に進んだ。本来なら円高にふれてしかるべきなのに円安が加速したことは、日本の経済、財政状況に対する世界の不安と、危険な状態への警告だと受け止めるべきだ」と主張しました。
「高い金利をつけなければ国債が売れない状況が生まれている。これを償還する際には、深刻な財政への打撃になるし、円安の進行は輸入物価をさらに引き上げることになる」と強調。おこめ券や子ども給付金など行き当たりばったりの物価対策の結果、円安を加速して物価が上がったら元も子もないと指摘し、「財政状況も含め、冷静で事実に基づく議論と対応が必要だ」と説きました。
その上で、小池氏は「アベノミクスの『負の遺産』により、危機的な状況が始まっているとみるべきだ。くらしを支えるための財政出動は必要だが、それが効果的なものになっているのか検証する必要がある」と強調しました。
日本共産党の小池晃書記局長は22日の記者会見で、高市政権が高支持率を保つなかでの現在の野党の構図についてきかれ、「高市政権と対決し、違う道を示すことが大事ではないか」と述べました。
小池氏は「政治とカネ」の問題を巡り、以前は企業・団体献金禁止を多くの野党が唱えていたが、今は献金の受け皿規制という方向に変わってきていると指摘。軍拡についても「共産党以外は、軍拡反対という議論がなかなかできていない」と語り、21日のNHK「日曜討論」では、高市早苗首相による「台湾有事発言」の撤回を求めたのは日本共産党の山添拓政策委員長だけだったと指摘しました。
「違憲の安保法制は廃止すべきだとはっきり言っていく、憲法を守り大軍拡は許さないという流れを国会のなかでつくっていくことがとても大事になっている」と強調。「高市政権が進めている方向に対決し、それとは違う別の道があるということを示すための努力をしていきたい」と抱負を語りました。