赤旗2025年9月10日付
![]() (写真)政府担当者に要請書を手渡す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表(中央右)。右隣は小池晃書記局長=9日、参院議員会館 |
戦時中に山口県宇部市の旧長生炭鉱で発生した水没事故の犠牲者の遺骨収容などを進めている「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会(刻む会)」と各党国会議員は9日、国会内で厚生労働省、外務省、警察庁に対し、先月の遺骨発見後初の政府要請を行い、遺骨収容への支援などを要請しました。日本共産党の小池晃書記局長が同席しました。
要請に対し厚労省の担当者は、遺骨発見の事実は認めたものの、「さまざまな専門家に知見を求めたが、そのうえでも安全性に懸念があるため関与できない」と従来と同様の消極的な姿勢に終始。理由として「潜水作業に危険がある」と述べましたが、「刻む会」の井上洋子共同代表は「ダイバーの方々もわれわれも、潜水調査や遺骨収容にあたって安全性は十分担保して行っている」と指摘。「危険があるというのなら、政府が支援してくれればその危険をさらに低減することができる」と述べました。また、「北朝鮮にもご遺族がいることが明らかになった。政府の責任での遺骨返還が一層求められる」とも指摘しました。
小池書記局長は「厚労省は専門家の氏名はおろか、その専門分野すら明らかにしていない。これでは知見を誰に聞いたのか、本当に聞いたのか証明することもできない」と指摘。「安全性に懸念があるというのなら、現地に行って遺骨発見により局面が変わったことを把握すべきだ」と要求しましたが、厚労省側は現地視察さえ拒否しました。出席した各党の国会議員は、政府に対し遺骨収容への関与を求める申し入れを再度行うことで合意しました。
要請には小池氏のほか、日本共産党の白川容子参院議員と、立憲民主党、社民党、れいわ新選組の国会議員が参加しました。