赤旗2022年12月16日付
憲法や国際政治の専門家らでつくる「平和構想提言会議」は15日、国会内で公開会議を開催し、「戦争ではなく平和の準備を―“抑止力”で戦争は防げない―」と題する提言を発表しました。
提言は、政府の「国家安全保障戦略」など安保関連3文書に対置する「平和構想」を提起。戦後の安全保障政策を大転換させる敵基地攻撃能力の保有や軍事費の倍増などの強行を厳しく批判し、「軍拡のための『戦略』ではなく、平和のための『構想』こそが求められている」と訴えています。
軍事力中心主義や「抑止力」至上主義から脱却すべきだと指摘。日本国憲法の基本原則に立ち返るよう求めるとともに、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの枠組みが果たす役割の重要性を強調しています。
さらに、「平和のために何をすべきか」として、▽「攻撃的兵器の不保持」の原則を明確化・厳格化▽辺野古新基地建設と南西諸島への自衛隊基地建設の中止▽核兵器禁止条約への署名・批准―など具体的な課題を示しています。
同会共同座長の青井未帆学習院大学教授は、2015年の安保法制の強行に続く大軍拡が進められているとして、「今回の提言がきっかけとなり、戦争ではなく平和の構築に歩んでいくことを強く願います」と述べました。
会議には野党の国会議員が出席。日本共産党からは小池晃書記局長、井上哲士、山添拓両参院議員があいさつしました。
小池氏は、岸田政権の大軍拡は憲法・平和・暮らしを破壊すると批判。提言で掲げられた「アジア外交と多国間主義の強化」に共感を寄せ、「ASEANと協力し、東アジアサミット(EAS)を土台にして安全保障の枠組みをつくるべきだ。9条を持つ国にふさわしい外交戦略を持つことこそ求められている」と述べました。