日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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通関業者に立て替え強要 参院委 小池議員が是正求める

2026年04月02日

赤旗2026年4月2日

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(写真)質問する小池晃書記局長=3月31日、参院財金委

 日本共産党の小池晃議員は3月31日の参院財政金融委員会で、通関業者が納税義務者である輸入者に代わって関税や消費税を立て替え払いさせられている問題を取り上げ、是正を求めました。片山さつき財務相は、優越的地位の乱用にあたるとの認識を示しました。

 東京通関業会が昨年加盟店社に行ったアンケートでは、立て替え払いを行っているとの回答が87・1%で、理由は荷主からの要請との回答が90・1%でした。小池氏は、立て替え払いとあわせて荷主が物流事業者に手数料など経済的な負担をさせているケースがあるとして、今年1月に施行された中小受託取引適正化法に照らして許されるのかとただしました。

 公正取引委員会の向井康二官房審議官は、対象取引に「特定運送委託」が新たに追加されたとして、違反行為に対しては厳正に対処するなど適切な価格転嫁や取引の適正化がはかられるよう取り組むと答弁。手数料を負担させる行為については「中小受託事業者の利益を不当に害する場合は、取適法上の問題となる恐れがある」と答弁しました。

 小池氏は「弱いものにしわ寄せが行くような業界の慣行を改めることが必要だ」として、原油をはじめ輸入物価の上昇が深刻な中、経費や労務費の転嫁の重要性を強調しました。片山財務相は立て替え払いが優越的地位の乱用になることを輸入者に認識させ、適正な転嫁が行われるようにしたいと応じました。

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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 関税定率法改正は必要な措置であり、賛成します。税関の体制強化は引き続き重要なので、よろしくお願いしたいと思います。
 通関業者が納税義務者である輸入者に代わって関税や消費税を立替払する、いわゆる立替え問題です。
 これ、二〇二四年三月の衆議院の財務金融委員会で我が党の田村貴昭議員が質問しました。当時、公正取引委員会は、優越的地位の濫用として独禁法上問題となるおそれがあるという見解を示して、当時の鈴木財務大臣も、これは公取の指摘に沿った形で是正される必要があるというふうに答弁されているんですが、これはなかなかちょっと是正されていないんじゃないかと。
 東京通関業会が昨年加盟店社に行ったアンケートで、立替払を行っているのは八七・一%で、これはもう前年の九五・六%から減少はしているんですが、大半は続いています。理由は、荷主からの要請との回答が九〇・一%、また、荷主への値上げ要請を七割の業者がためらっていて、値上げを求めたとしても応じた荷主の割合は二割以下との回答が半数です。
 大臣、こうした現状をどう見ておられるのか。やっぱり荷主が立替払を強いられている状況を放置してはいけないんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 通関業者による輸入者の関税等の立替払が商慣習として行われていて、基本的には通関業者と輸入者の間の民間契約なんですけれども、先ほどの事業者団体が行ったアンケートにおいて立替払が負担となっているというお声が圧倒的に、また、公正取引委員会の調査においても独禁法上の問題につながるおそれのある事例としてこの立替払が取り上げられているということはもう十分承知をしております。
 これを踏まえて、財務省としても、貿易事業者団体を通じて、優越的な地位を利用して不当に立替払を行わせることが不公正な取引につながるおそれがあるということについて、輸入者への周知に努めますとともに、その立替払の負担軽減にも寄与することから、輸入者の口座から自動的に納税する方法というのも、これもう十年ぐらいになるようですが、これを導入するなど、輸入者自らが関税等を納付しやすくなるような納税環境の整備にも努めておりまして、その周知にも努めているところであります。
○小池晃君 様々手を打っていただいていることも認識はしているんですけど、やっぱりこれは、今の現状をこれ是正する必要あると思うんですね。
 公正取引委員会来ていただいていますが、今年一月から中小受託取引適正化法、取適法ですかね、これによって不公正な取引についても是正されるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、改正下請法が本年一月一日に施行されております。その中には、新たに特定運送委託というものが適用対象取引に追加されたほか、協議に応じない一方的な代金決定、手形払いの禁止等が盛り込まれておるところでございます。
 このような改正法につきましては周知徹底をしたところでございますが、公正取引委員会と中小企業庁が実施したヒアリングにおきましては、事業者から、資金繰りが改善をした、価格交渉が進んだというような声もいただいておるところでございます。
 一方で、実効性を高めるためには周知徹底だけでは足りないということでありまして、積極的な法執行も重要であると考えてございまして、公正取引委員会と中小企業庁では毎年大規模な書面調査を実施しておりますので、そのような書面調査におきまして積極的に違反行為の情報収集をいたしまして、違反行為がありますと積極的に勧告、指導等を行っていきたいと考えてございます。
○小池晃君 これは、対象取引には特定運送委託、追加されているということでありますが、この荷主が物流事業者との間で物流業務に付随して輸入通関業務を委託する際に、関税や消費税の立替払と併せて手数料などの経済的な負担をサービスとして負担させているという例もあるということを聞いております。
 公正取引委員会として、こうしたケースは、これは取適法上問題ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。
 最終的には個別事案ごとの判断となることでございますので、一般的、一般論として申し上げたいと思います。
 荷主がその取引先である物流事業者に対しまして、本来荷主が納めるべき関税や消費税の支払を立て替えさせ、併せてこれらの手続に係る手数料などを負担させるということによりまして、中小受託事業者の利益を不当に害する場合には取適法上の問題となるおそれがあるところでございます。
 先ほどもお答えしたとおりでございますが、公正取引委員会及び中小企業庁におきましては、以前から違反行為に係る情報収集のため定期的な大規模な書面調査を実施しているところでございまして、違反行為を積極的に探知いたしまして、勧告、公表を行うこととしてございます。
 公正取引委員会といたしましては、引き続き、具体的な違反被疑情報に接した場合には、しかるべき調査を行った上で、違反行為に対しましては厳正に対処するなど、適切な価格転嫁や取引の適正化が図られるように取り組んでまいる所存でございます。
○小池晃君 財務省としてはこうした事案にどう対応されていくのか、今の公取の見解も踏まえてお答えください。
○政府参考人(寺岡光博君) そもそも通関業者は、その高度な専門知識を用いて国際貿易や通関手続を行う重要な機能を有していると考えてございまして、近年、その役割の重要性が増してございます。一方、料金設定や労務費等の適正な転嫁の問題も指摘されており、通関業者の役割の重要性に鑑みますと、その経営環境の改善を図ることは重要な課題であると認識してございます。
 ただいま公正取引委員会から、荷主が中小受託事業者の利益を不当に害する場合には取引適正化法上問題となるおそれがある旨の御答弁もございました。そのため、財務省関税局から貿易事業者団体に対して、優越的な地位を利用した立替払は独占禁止法上の不公正な取引につながるおそれがある旨、輸入者の一般口座の利用といった輸入者が自ら関税等を納付する方法等について所属の会員企業への周知を依頼するなど、今後ともこれまでの周知を継続してまいります。
 加えて、財務省が輸入者と通関業者との間での不適正な取引に関する情報を得た場合には、公正取引委員会に共有するなど適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○小池晃君 大臣、今までのちょっとやり取りも踏まえて、弱い者にしわ寄せが行くような業界の慣行はやっぱり改める必要があると思うんですね。しかも、今、原油を始めとして輸入物価上昇が深刻になってきていて、通関業者と輸入者の取引において、経費、労務費の転嫁、一層重要になっているんではないかなと思います。
 大臣の今のやり取りを踏まえた御見解をお示しください。
○国務大臣(片山さつき君) 物流全般についてこの問題はあって、私もいろんなところのお話を伺って、まさに委員の御指摘と同じような御指摘を、これ何とかならないのかというようなことをずっと見させていただいている中で、通関業者のむしろ負っていただく役割は増えていて、業務も複雑化していくわけですから、なのに収入が伸びていないということだと、要するに適正に労務費が転嫁されていないということですから、今の世の中の流れとはちょっと逆になりますので、その必要性を輸入者の方にちゃんと御理解をいただいて、適正に転嫁してくださいという流れをつくらなくちゃいけないし、公正取引委員会の方で引き続きお調べいただいたり御指導いただいているわけですから、この優越的な地位の濫用になるんだよということをそもそも認識していただいて、これをその通関業者さんが適正に業務運営の方向が確保できるように改善しなきゃいけませんから、この環境整備、環境改善につきましては私どもも一生懸命努力をしてまいりたいと、かように思っております。
○小池晃君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それから、所得税法でちょっと取り上げられなかった問題をあと残り時間聞きたいんですが、今回の税制改正で、青色申告特別控除をe―Taxを要件にして六十五万円に引き上げる、又はe―Taxで申告して優良な電子帳簿で電磁的記録の保存などの要件を満たすものを七十五万円に引き上げると。一方で、複式簿記であっても、紙の申告書で申告すると十万円しか控除できないということが入っているんですね。
 これ、どうしてこういう差を設けたんでしょうか。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。
 令和八年度税制改正におきまして、個人事業者の青色申告特別控除につきまして、近年における会計ソフトの普及や電子申告割合の向上を踏まえまして、記帳水準の向上を図るとともに、デジタル時代にふさわしい記帳や申告を一層推進する観点から見直しを行うこととしております。
 高度な電子帳簿を作成、保存し、電子申告を行う納税者を対象としまして、控除額を六十五万円から七十五万円に引き上げる一方で、書面申告の納税者につきましては、控除額を現行五十五万円であるところを十万円とすることとしております。これは、現在青色申告者の八割が、約八割が電子申告をしていることから、租税特別措置としての政策効果を踏まえまして見直しを行うものでございます。
○小池晃君 青色申告、八割が電子申告とはいえ、残り二割の方いらっしゃるわけですね。青色申告制度の意義からすれば、やっぱりこれはあくまで自主申告ですよ。自発的な納税協力を促して記帳水準の向上につながるという、白色申告にはない節税効果のある多くの特典を利用することができるというふうになっているわけですね。
 大臣、ちょっと一問飛ばしますけど、これ自主申告なんですから、やっぱり上からああせいこうせいということではないと思うんですね。同じ記帳、同じ帳簿で同じように申告するのに、紙の場合は控除額引き下げるというのは、これは不平等ではないか。で、これデジタル化だというふうにおっしゃるんだけれども、これ、紙の申告は五十五万円から十万円になるわけで、実質増税ですよね。私は、デジタル化というのはあくまで合意と納得を得てやるべきで、何か懲罰的に控除額を引き下げるというやり方でいいのかと。やっぱりペナルティーを科すようなやり方ではなくて、きちんとデジタル化は合意と納得を得て進めるべきで、こういうその不平等を設けるというのは私はいかがなものかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) もう国税庁は本当に旧大蔵省時代から結構このデジタル化というかICT化やってきている組織でございまして、それを、今回控除額に段差が付いたから懲罰的まで、まあそれは受け取り方ですわね、それがなければ全く控除がないわけではないので。もちろん、利便性の向上になることですから、合意で納得感を持ってやっていただければというお考えもあると思うんですけれども、組織全体として一貫してそういうことを記帳水準の向上とリンクさせながらやってきたという観点はあるわけですから、発想の延長線上として、めり張りを付けて、今回のような控除額があって段差が付くということがあったらそんなにいけないのかという、私は割とそれは自然に受け止めたところでございますが。
 やっぱりこの業務につきまして、これからもAI化、IT化というのを行政の中では一定以上入れていかないと、なかなか、幾らこの機構、定員を頑張っても、元々若者が減っていく社会にいるわけですから、なかなかそれは無制限、無天井にできるわけではないので、さらに、納税される側の方も、デジタル化が少しずつ自主的に進んでいる中で私はこういうことをやっていくというのは、別にそんなに懲罰的ではないし、不慣れな方につきましては、さっきおっしゃったような、やらない方ですね、国税の方で親切丁寧な御紹介、御誘導、御指導も納税者に寄り添ってさせていただいているということなので、お許しいただければ有り難いと思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので。
○小池晃君 時間が来ましたのでもう質問しませんが。
 五十五万円から十万円になるわけですから、これやっぱり実質増税なわけですよ。こういったことはやっぱりしないで、北風と太陽じゃありませんけど、プラスのインセンティブを付けるということならいいんですけど、マイナスまでやるというのは私はこれはやや行き過ぎではないかなというふうに言わざるを得ないというふうに思いますので、是非今後の在り方として検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

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